正しい情報であっても、誰かを傷つける可能性はないか、立ち止まって考えることが必要である。個人が外部に向かって思想、意見、感情を表明する権利はあるが、その権利は個人の人権が尊重されて初めて保障されることを知る。
©Ibuki Haruka
デジタル・シティズンシップ教育の推進
トラブルに発展した場合、デジタルシティズン(デジタル社会の善き市民)となるための資質を活用した思考ルーチンを活用しよう。
【善きデジタル市民となるための育成すべき5つの資質】
- オンラインで立ち止まり自分の行動を省みることができる。オンラインで立ち止まり自分の行動を省みることができる。
- 他の人の気持ちを考え、市民としての責任を考えることができる。
- 情報の出どころや内容をよく確かめ、正しい情報かどうかを確かめることができる。
- 自分や他の人への責任や影響を考えて、とるべき行動を考えることができる。
- オンラインでとるべき行動を決定し、必要な時は助けを求めることができる。
※上記の資質を発達させるための思考ルーチン
- ①「感情を確認」
- (悲しい、不安、怖い、心配または不安感がありますか。)
- ②「原因を特定」
- (その感情につながった原因は何ですか。それは、あなたや他の誰かが言ったことや行ったことですか。)
- ③「対応を検討」
- (どのような行動の選択肢が実行可能ですか。その選択肢を実行した際の良い点と欠点は何ですか。)
- ④「行動の準備」
- (前向きな方法で行動し、対処するための準備を考えましょう。)
【出典】デジタル・シティズンシップ プラス(著者:坂本旬氏、今度珠美氏ほか6名).大月書店,2022,P45
Bさんの立場から
ー 今回のケースに係る思考ルーチン ー
なぜ投稿してしまったのか。
どのような行動をとるべきだったか。
とるべき行動がとれなかったのはなぜか。
とれなかった理由はどのように
乗り越えることができるか。
インターネット上は公共空間なので、責任のある行動が求められる。時には民事上の責任を問われる恐れもある。例え単なる事実を悪意なく投稿したものであったとしても拡散されてトラブルに発展する可能性があり、発信してはならない情報もある。個人のプライベートな情報を公開してはいけない。
周りで見ていた人がすべきことを検討する。
周りで見ている傍観者ができることを考え行動することで状況を変えられることを知る。
デマやフェイクニュースを拡散することはもちろんいけないことだが、正しい情報だからといって不当な差別、偏見、その他不利益が生じるような情報ではないか、立ち止まって考えることが必要である。