インターネットを使う人なら
確認しておくべき!
知らないうちに加害者・被害者に
ならないためにチェックしよう。
第1問
Aさんは、高校の同級生であるモデルのBさんが最近大きく注目を集めていることを知りました。ファンはもっとBさんについて知りたいだろうと思い、ブログでBさんの高校時代のエピソードなどを紹介しました。Aさんが見たり聞いたりした正しい情報であれば、インターネット上に公開してもいい?
or
第1問
答え
ニセ情報や誤情報はもちろん、たとえ正しくても個人情報など公開すべきでない情報もあります。インターネット上に載せてしまうと、削除してもすべてを取り消すことが難しくなります。拡散されてしまい、謗中傷につながってしまうことも。その情報を公開することは他者の権利を侵害しないか、迷惑をかけないか、常に立ち止まり考えることが大切です。
第2問
政治に興味があるCさんは、情報収集のためにSNSを活用しています。みんなの投稿も参考にしています。最近は自分と同じ意見の投稿をよく目にするようになりました。同じ意見をよく見かけるのだからCさんは多数派である。
or
第2問
答え
自分が見ているのは閲覧履歴によって各個人ごとに集められた情報かもしれません。TwitterやFacebookなどのSNSは、どの人の投稿を頻繁にチェックし、どういった投稿に「いいね」をする傾向があるかを把握しています。その情報に基づいて、その人が好む情報ばかりが表示されているのです。検索エンジンやニュースサイトでも、利用履歴から個人に最適化された情報が表示されます。そのため、自分が見たい情報しか見えなくなり、同じ思想,価値観の人に包まれてしまうフィルターバブル状態になったり、自分の画面(タイムライン)に同じような意見ばかりが返ってくることで自身の考え方、捉え方が強化されるエコーチェンバー状態になったりすることがあります。
第3問
イラストレーターはめざすDさんは、インターネットの検索サイトに「イラストレーター 専門学校」と打ち込んで、学校を探しました。検索していちばん上に表示されたZ学校はいちばん人気があると思い、入学を決めました。検索サイトで上位にある検索結果は価値があり、信頼できる?
or
第3問
答え
検索結果の上位に表示される結果ほど信頼できるというわけではありません。GoogleやYahoo!などの検索エンジンが表示するページの順番は、これまでの検索履歴などから検索エンジンの独自のルールによって、人によっても違うのです。ただ単に、その人がよく検索するエリアの学校を表示しただけかもしれません。表示された情報は意図的に操作されていることを理解し、検索結果上位の情報だけで判断せずに、遠ざけられた情報にも意図的にアクセスするよう心がけましょう。
第4問
Eさんはインターネットのニュースで「物価高 昨年比2倍の予想」という見出しを見て、自分たちの生活にも関わる問題だと思い、SNSに見出しをそのまま投稿して、コメントを書きました。情報源は大手新聞社で、社会的に信用されている企業なので大丈夫?
or
第4問
答え
見出しだけでは、見た人に間違った解釈を与えてしまう可能性があります。見出しはニュースの内容を端的に、魅力的に伝えるもの。文字数が短く限られているため、ときに誇張された表現になることもあります。記事をさいごまで読んでから判断することが大切です。また、事実や調査結果の一部を切り取って伝えたい結果に寄せたり、導きたい解釈に沿った専門家を選任しコメントを載せたりすることもあります。偽情報・誤情報など、総じて「フェイクニュース(虚偽情報)」は社会を分断し戦争を引き起こすこともあります。広告、CMには誇張表現が含まれます。誇張表現は、商品の特徴を分かりやすく伝える利点がありますが、商品以上の期待をもたせてしまう可能性もあります。広告、CMは事実だけを伝えているわけではないことを意識しましょう。
第5問
大学生のFさんは、初めての選挙に行くことになりました。候補者のG氏とH氏は対立していて、FさんはG氏の政策のほうが自分の考えに合っているような気がしましたが自信が持てませんでした。そこで大学のサークルの友達に誰に投票するか聞いたところ、ほとんどの人がH氏を支持していたので、H氏に投票することにしました。これでよかったのでしょうか。
or
第5問
答え
これは「集団同調性バイアス」によるもので、「みんなが支持しているH氏だから大丈夫」と、まわりの友達に合わせて、自分の判断に偏りをもたらすバイアスが働いています。自分の判断に自信がもてないときや少数派になることを恐れる心理が背景にあり、周囲と同じ行動をとれば安全と考えてしまうのです。また,自分が支持する情報ばかりを集め反証する情報を見ないようにする傾向のことを「確証バイアス」といいます。バイアスの存在を知り、第三者の意見を取り入れたりすることで、的確な判断をすることが必要です。
参考:
「令和元年版 情報通信白書」総務省
「デジタル・シティズンシップ プラス」(坂本旬、豊福晋平ら著)大月書店、2022
「バイアス、ミナオス?」鳥取県人権文化センター